ゴッホの自画像、別の絵の裏から発見?(スコットランド国立美術館)
7月14日、フランス革命記念日(パリ祭)に、イギリスのエディンバラにある、スコットランド国立美術館で、これまで知られていなかったヴァン・ゴッホの自画像が発見されたというニュースが飛び込んできました。
と言っても、新たな自画像そのものがみつかった訳ではありません。同館が、所蔵するゴッホ初期の作品《農婦の頭部》の裏面にX線をあてたところ、ゴッホの自画像と思われるスケッチがX線画像で確認されたというお話です。
農婦の頭部 1885年 46.3 x 35.3 cm
Photo: National Galleries of Scotland 《An x-ray image of the hidden Van Gogh self-portrait》
ゴッホがカンヴァス代を節約するために裏面にも絵を描いたと言うのはよく知られています
この《農婦の頭部》には厚紙が膠で貼り付けられており(いわゆる「裏打ち」ですね)、実際の自画像を見るにはそれらを丁寧に除去する必要があるとのことです。
将来的にはスコットランド美術館もそうすると思われます。だって、スケッチとは言え、ゴッホの未知の絵が神様から1枚寄付されたようなものですからね!
ところで、スコットランド国立美術館といえば、つい先日まで同館所蔵の名作で構成された《The Greats 美の巨匠たち》展が東京都美術館で開催されていました。ちなみに、7月15日からは神戸市立博物館で、10月4日からは北九州市立美術館で開催されます。
もちろんこの展覧会にゴッホの《農婦の頭部》は出展されていませんが、実は私は展覧会プロデューサーとして、1903年に日本で開催された《スコットランド国立美術館展》を企画・オーガナイズしました。
この時には、ゴッホの《オリーヴの樹》とともにこの《農婦の頭部》が出展されていました。
ということで、個人的にも大注目のニュースでした。
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