ブログ

《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》ハイライト作品紹介(4)《レストランの内部》

《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》(東京都美術館)から♪♪♪

《種まく人》につづいてご紹介するのは《レストランの内部》です。


レストランの内部
1887年夏 油彩/カンヴァス
クレーラー=ミュラー美術館

ゴッホが弟テオをたよってパリに出てきたのが1886年2月ですから、この絵はその1年半後に描かれたことになります。

オランダで暗い絵を描いていたゴッホはパリで印象派の洗礼を受け明るい絵を描くようになりました。

とは言え、この絵で目立つ細かな点描は、タッチで描くモネやシスレーの印象派風というよりはむしろスーラやシニャックの影響のように見えます。

それもそのはずで、ゴッホがパリに出てきた3ヶ月後に第8回印象派展が開かれましたが、この展覧会にはモネもルノワールもシスレーも参加していませんでした。その展覧会で注目を浴びたのはスーラやシニャックなどのちに新印象派とよばれる人々の絵です。スーラの大作《グランド・ジャッド島の日曜日の午後》もこの第8回印象派展に出品されました。

スーラ 《グランド・ジャッド島の日曜日の午後》

ゴッホの《レストランの内部》は新印象派風の細かな点描で描かれた軽やかな絵のようですが、テーブルクロスや床は後のゴッホのマチエール(画肌)を髣髴とさせる粘着質のタッチで描かれています。

【広告】

ピックアップ記事

  1. ゴッホ展(上野の森美術館)のコンセプトから《ピンクの桃の木(モーヴの思い出)》を…
  2. 第60回を記念して、プロトマニア『絵画鑑賞白熱講座』の全60テーマをご紹介します…

関連記事

  1. ブログ

    第11回のテーマ:ティツィアーノとヴェネツィア派 / 《これまで誰も教えてくれなかった『絵画鑑賞…

    第11回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞入門講座』》は2…

  2. ブログ

    東京都美術館の《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》まもなく終了です!!!

    東京都美術館の《ゴッホ展》(12月12日まで)雑感《ゴッホ展 響き…

  3. ブログ

    夏にちなんだ絵:放浪の天才画家・長谷川利行の《水泳場》板橋区立美術館

    今日は夏にちなんだ絵をご紹介します。この絵、一…

  4. ブログ

    絵画鑑賞の力がつけばイッキ描きの絵の良さがわかるというお話

    イッキ描きとは何か?イッキ描きとは耳慣れない言葉ですね!それも…

  5. ブログ

    ルドゥーテのバラ図譜、フォリオ判とオクタヴォ判の違いを知ろう!

    《ロサ・インディカ・クルエンタ》のフォリオ判(右)とオクタヴヴォ判…

  6. ブログ

    ルノワール 《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞闘会》

    ルノワール(1841 - 1919)《ムーラン・ド・ラ・ギ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

2024年7月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

スポンサーリンク

スポンサーリンク

  1. ブログ

    東京都美術館の《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》まもなく終了です!…
  2. ブログ

    アンドプレミアム8月号「心を揺さぶる、アートの力。」のご紹介(&Pre…
  3. ブログ

    大人の絵画鑑賞としての対話型鑑賞(≒VTS)を考える。☆モヤモヤ感を解消するため…
  4. (c) hugo's Ltd.

    ブログ

    対話型鑑賞ファシリテーター養成集中講座(オンライン、リアル)のすすめ
  5. ブログ

    エドゥアール・マネ  《草上の昼食》
PAGE TOP