ブログ

対話型鑑賞に興味のある人必読の本 《対話型鑑賞のこれまでとこれから》淡交社

今日はおすすめの本をご紹介します。

《対話型鑑賞のこれまでとこれから》
監修 京都芸術大学アート・コミュニケーション研究センター
淡交社 定価2500円+税

この本は、昨年8月20日と21日の2日間にわたって《対話型鑑賞のこれまでとこれから》と題して東京国立博物館で開催されたVTC / VTS 日本上陸30周年記念フォーラムを書籍化したものです。

コロナ禍であったにもかかわらず、このフォーラムには161名が来場参加し、オンラインでは1300名以上が視聴しました。対話型鑑賞の分野では過去最大のエポックメーキングなイベントだったと言えるでしょう。

それでも全国的に見れば、このフォーラムには関心があったけれども、都合がつかず見そびれた、聴きそびれたという方はたくさんいらっしゃると思います。

そんな方々にはまさに1年後に巡ってきた朗報ですね!

対話型鑑賞に興味のある方にぜひ読んでいただきたいのが、この本の「第1章 対話型鑑賞の黎明期:アメリカ→ドイツ→日本」と「第6章 対話型鑑賞の功罪:美的知覚の観点から」と「第7章 対話型鑑賞ファシリテーターの育成と課題」の3つの章です。

現状では対話型鑑賞の議論はかなり錯綜しています。その原因は、この本の第7章でも問題提起されていますが、「対話型鑑賞」という言葉で発言者が意図しているものがバラバラだからです。

「対話型鑑賞」に興味のある方やすでにファシリテーターとして実践している方は、この本で「対話型鑑賞」の来し方と現状をしっかりと理解して、自らの「対話型鑑賞」の立ち位置を明確にしておくことが大きな自信につながるはずです。

美術の知識は全く不要のVTSファシリテーターになるための基礎を身につけたい方へ:

対話型鑑賞(VTS)のファシリテーター養成集中講座(オンライン開催)(2日バージョン)2024年2月期の詳細、お申し込みはこちらから

 

【広告】

ピックアップ記事

  1. 第60回を記念して、プロトマニア『絵画鑑賞白熱講座』の全60テーマをご紹介します…
  2. ゴッホ展(上野の森美術館)のコンセプトから《ピンクの桃の木(モーヴの思い出)》を…

関連記事

  1. ブログ

    ルノワール 《ピアノに寄る少女たち》

    ルノワール(1841 - 1919)《ピアノによる少女たち…

  2. ブログ

    《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》ハイライト作品紹介(6)《サン=レミの療養院の庭》

    《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》(東京都美術館)から♪…

  3. ブログ

    アートミステリー小説 私的おすすめ 《楽園のカンヴァス》 原田マハ著

    先日のブログでご紹介したアートミステリー小説 私的ランキング第2位《楽…

  4. ブログ

    絵画鑑賞の力がつけばイッキ描きの絵の良さがわかるというお話

    イッキ描きとは何か?イッキ描きとは耳慣れない言葉ですね!それも…

  5. ブログ

    ヴィクトリア朝の画家・ウォーターハウス のオフィーリア3点と代表作10選

    ほとんどの美術好きの人がはまってしまう画家、19世紀イギリス、ヴィクト…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
  1. 講座開催のお知らせ

    話題の展覧会・解説と鑑賞講座  《ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢》 9月20…
  2. ブログ

    パウル・クレーのチュニジア旅行《色彩画家宣言》と第一次世界大戦の勃発
  3. ブログ

    大人の絵画鑑賞としての対話型鑑賞(≒VTS)を考える。(イントロ)
  4. ブログ

    《ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント》ハイライト作品紹介(8)《サント…
  5. ブログ

    対話型鑑賞に興味のある人必読の本 《対話型鑑賞のこれまでとこれから》淡交社
PAGE TOP