横浜の有隣堂戸塚カルチャーセンターで開催される絵画鑑賞講座のご案内です。
11月27日(水)の講座でとりあげる画家はゴッホです。
現在上野の森美術館で開催中のゴッホ展(2019年10月11日〜2020年1月13日)はご覧になりましたか?
この展覧会では、ゴッホの人生を変えた2つの出会いと題して、オランダ・ハーグでのハーグ派、フランス・パリでの印象派との出会いをテーマにしています。
ゴッホ展の公式サイトはこちらから
これらの出会いを経て1888年2月、ゴッホは南仏アルル向かいます。
そして、わずか2年あまりの間にわたしたちが知る《アルルの跳ね橋》、《ひまわり》、《夜のカフェテラス》、《星月夜》など数多くの名作をものしていきます。
では、なぜゴッホは南仏に向かったのでしょう?
ゴッホはなぜ南仏アルルに行ったのか?
1.ゴッホの画家としてのキャリアは画家になると決意した27歳から37歳で自殺するまでのわずか10年間です。
そしてゴッホは南仏アルルに滞在した晩年のわずか2年余りの間に彼の傑作のほとんどが制作されました。
その間、30号の大作を2日に一枚の超ハイペースで制作しました。
では、ゴッホはなぜ南仏アルルに行ったのでしょう?
そこには、ゴッホが愛してやまなかった日本の浮世絵が大きく関係しています。

アルルのはね橋 1888年

夜のカフェテラス
1888年9月

ひまわり
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
1888年8月

星月夜 1889年
2.ゴッホと日本、ゴッホと浮世絵
ゴッホが日本の浮世絵に影響を受けたことはよく知られています。
ゴッホは手紙魔としても有名ですが、「ゴッホの手紙」中にはクレポンという言葉が頻繁に登場します。
このクレポンはだいたい浮世絵とか日本の版画という風に訳されることが多いのですが、正確には少し違います!
はたしてクレポンとはなんだったのでしょう?
クレポンはフランス語です。créponと綴りますが、ゴッホは手紙の中でcreponと綴っています。
それはさておき、クレポンとは《ちりめん絵》と呼ばれるものです。普通の浮世絵版画を圧縮加工することによって、細かい皺を施したもので、いわゆる縮緬布のようにみえます。そうすると何が起こるかというと、色面が圧縮されることによって色がより一層強く鮮明になります。また、細かい皺によって画面の立体感が生じます。要するに色がどぎつく、画面に厚みがでるのです。これは見方によっては絵として品がなく価値が下がるものだとも言えるのですが、ゴッホはそれを重々承知の上で、クレポンの良いところを自分の絵に活かそうとしたのです。

クレポン

クレポン
3.長年ゴッホの最後は自殺だとされてきましたが、最近では他殺説も多くささやかれています。
ゴッホの自殺への疑問とは?

烏のいる麦畑
1890年7月
これら3つの疑問をイントロに参加者全員で《絵をしゃべる!》を楽しく実践してみませんか?
受講料等の詳細は有隣堂戸塚カルチャーセンターのHP《ひと味違った美術鑑賞》で御覧ください。
電話でのお問い合わせ:045-869-3263(代表)有隣堂戸塚カルチャーセンター
そして、なんと、ゴッホのアルル時代を描いた映画が11月8日(金)からロードショー公開されます!
主演はウィリアム・デフォー、監督は新表現主義の画家としても有名なジュリアン・シュナーベルです。
映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』公式サイト
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