これまで美術館向けの展覧会を60以上手がけてきた国際美術展プロデューサーが「絵をしゃべろう!」をコンセプトにファシリテートする絵画鑑賞のオンライン講座です。
美術の歴史的流れや、作品にまつわるエピソードまで聞きながら、講師、参加者と一緒に対話しながら絵画を鑑賞します。
みんなで絵を話すシーンが増えたら、きっと世界は素敵になる♪ 人の感想を聞くだけでも、今までにない刺激や発見がありますよ。
初めての参加も大丈夫(しゃべらないで参加ももちろんOKです)。
自宅にいながら、みんなで複数の作品を見て、絵画を楽しみましょう!
今回は、イギリス風景画の礎を築いた巨匠・コンスタブルを取り上げます。
2月20日から三菱一号館美術館で《テート美術館所蔵 コンスタブル展》が開かれます。日本では35年ぶりの大回顧展となるそうです。イギリス風景画の巨匠コンスタブルは『最も自然な画家』と呼ばれました。《風の時代》に鑑賞したい画家No1かもしれません。
ターナーと違って(?)ハンサムですね!
コンスタブル(1776 – 1837)はターナーより1歳年下です。まさしく同時代の画家ですが、この二人の巨匠はあらゆる点で対照的です。
ターナーは弱冠27歳でロイヤル・アカデミーの正会員となった早熟の天才、コンスタブルが正会員となったのは53歳、ターナーと比べると大変遅咲きですね。
家庭生活も女性観もまったく違いますが、そのへんのお話はまたの機会(たぶん特別講座?)に譲るとして、二人の作画態度もずいぶん違います。ターナーがインスピレーションを喚起する風景を求めてイギリス国内から海外まで旅に明け暮れたのに対し、コンスタブルは生涯イギリスを出ることなく、愛する故郷とその近郊とロンドンの風景を描き続けました。
あくまでも地元を好み、穏やかで落ち着いた生活を愛したコンスタブル。彼の自然愛、人間愛に満ちた作品をごいっしょに鑑賞していきましょう!
講座は2部構成です。まず、コンスタブルの代表作1点をVTS(Visual Thinking Strategies)というメソッドで鑑賞し、作品や画家に対する理解を深めます。VTSは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された手法で、1枚の絵をグループの対話を通して鑑賞します。最近では、ビジネスや敎育の分野でも大変注目されています。
次に、コンスタブルの初期から晩年まで、画風の変遷がわかる作品を20〜30点鑑賞します。当時の写真やエピソードをご紹介しつつ、みなさんの感想をヒントにして、コンスタブル・ワールドへの扉を開きます。
参加にあたって美術史の知識は必要ありません。知らず知らずのうちに絵画鑑賞に役に立つ知識が身につくようにファシリテートします。
では、ごいっしょにコンスタブルが描いたイギリスの風景を楽しみましょう!
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