ユニークな「絵画鑑賞のオンライン講座」です。
今回の入門講座は、エドヴァルド・ムンクです。
ムンクの代表作『叫び』はモナ・リザと並んで世界でも最も知られている絵画のひとつですね。たしかに、あの口をまるく開けて両手を耳でおおっている人の姿には、一度見たら忘れられないインパクトがあります。
ところで、《叫び》は版画を除いても4枚あることをご存知でしたか?そしてそのうちの2枚は盗難にあったことがあります。それもオスロ国立美術館とオスロ市立ムンク美術館から・・・。あんなに有名な絵なのだからセキュリティは万全なはずなのに、よく盗まれるなあと思いますが、モナ・リザも盗難に遭っていますから、有名税のようなものかも知れませんね。
それはさておき、ムンクの代表作が《叫び》であることに間違いありませんが、これが意外に問題です。
《叫び》があまりに有名すぎて、一般にはムンク=《叫び》の画家で話が終わってしまい、80歳まで生きた長い画業の中でムンクが到達した様々な絵画上の展開に注意が向かないきらいがあります。
そんな状況に一石を投じるということで、私(ファシリテータ・講師の中尾)が長い間協力関係にあったパリのピナコテーク美術館では、2010年に《エドヴァルド・ムンクあるいはアンチ『叫び』》と題された、あえて『叫び』のないムンクの展覧会が開催されたこともあります。
この入門口座では、『叫び』の鑑賞はもちろん、ムンクのさまざまな作品に触れていただくことを目標にみなさんといろいろおしゃべりしたいと思います。
講座は2部構成です。
まず、ムンクの代表作1点をVTS(Visual Thinking Strategies)というメソッドで鑑賞し、作品や画家に対する理解を深めます。VTSは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された手法で、1枚の絵をグループの対話を通して鑑賞します。最近では、ビジネスや敎育の分野でも大変注目されています。
次に、ムンクの初期から晩年まで、画風の変遷がわかる作品を約30点鑑賞します。当時の写真やエピソードをご紹介しつつ、みなさんの感想をヒントにして、ムンク・ワールドへの扉を開きます。
この講座ではムンクについての事前の知識は必要ありません。
また、しゃべって参加することも、しゃべらないで聞くだけ(チャットで参加はできます)で参加することも可能です。お気軽にご参加ください。
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