近代絵画の父セザンヌ
セザンヌの色から、マティスの色彩表現が生まれ、形からピカソのキュービスムが出現したとも言われます。セザンヌは20世紀美術の2大巨匠の源泉でもあるわけです。すごい画家なんですね!
ところで、セザンヌは1839年生まれです。1840年生まれのモネや、1841年生まれのルノワールとまったく同世代です。にもかかわらず、美術史的には《ポスト印象派》の画家として、ゴッホやゴーギャンと同じに分類されます。セザンヌの偉大さは、印象派によって大革新された近代絵画の、大きな流れのあとにあるということのようです。
事実、印象派によって切り開かれた近代絵画の奔流は、セザンヌという偉大なフィルターを通すことによって、20世紀美術、現代美術へと発展していくことができたのです。ということは、セザンヌを理解すれば、近・現代美術の多様な表現の鑑賞のためのオールマイティな鍵を手に入れることになります。この入門講座でそれを探って行きましょう!
講座は2部構成です。まず、セザンヌの代表作1点をVTS(Visual Thinking Strategies)というメソッドで鑑賞し、代表作や画家に対する理解を深めます。VTSは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された画期的な対話型鑑賞で、最近では日本のビジネスや敎育の分野でも大変注目されています。
次に、セザンヌの初期から晩年まで、画風の変遷がわかる作品を20〜30点鑑賞します。当時の写真やエピソード、セザンヌの言葉などをご紹介しつつ、みなさんの感想もうかがいながら、セザンヌの世界へご案内します。
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