殺人者にして画壇の革命児
ルネサンス末期にあらわれた画壇の風雲児カラヴァッジョ:絵画の明暗と人生の明暗
ルネサンス末期に登場したカラヴァッジョ(1571 – 1610)は、抜群の描写力をもとに独自の劇的な光と陰の構成による数々の聖書の場面を描き、ルネサンスからバロックへの道を大きく切り開いた革新者です。
一方、私生活では生来のかぶき者で、粗暴な行動に明け暮れ、あげくの果てに殺人まで犯してお尋ね者になってしまいます。
カラヴァッジョの人生は、極端な明暗により劇的な効果を演出した彼の絵画と重なりますね。
今年の春に国立新美術館で開催が予定されていた「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」はコロナの影響で残念ながら中止となってしまいましたが、11月13日から大阪市立美術館で開催される《メトロポリタン美術館展》にはカラヴァッジョの《音楽家たち》(1597年)が目玉作品のひとつとして出展されます。カラヴァッジョ・ファンにはたまらない朗報ですね!
ちなみにこの展覧会は来年の2月9日から東京の国立新美術館でも開催されます。
《音楽家たち》 1597年 メトロポリタン美術館

キリストの埋葬 1603-04年 ヴァティカン美術館

聖マタイの召命 1600年 サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂

女占い師 1598-99年頃 ルーヴル美術館
この記事へのコメントはありません。